悪性リンパ腫の治療方法

同種骨髄移植

 

また、前項でお話したように、摂取した血液から、完璧にガン細胞をろ過するわけではありません。完全になくすのは不可能だと思われますので、100パーセントの確率ではない、と言うのです。
ですから、当然、再発する危険性もあります。

 

ですが、寛解の状態においては、この移植をしたのならば、再発は少ないと言います。
寛解とは、ガン細胞が確認できなくなった状態のことを言い、悪性リンパ腫において完治と言う言葉が使われないため、このように言います。
再発が少ない、この希望を持って患者さんは移植を受けるのでしょう。

 

また、悪性リンパ腫の移植で、同種骨髄移植と言うものがあります。
これは、ドナーの骨髄を投入する治療法です。
先ほど、説明しました、自家造血幹細胞移植と同じく、移植の前には、超大量化学療法や、全身放射線をして、骨髄を空にしなければなりません。
他人の骨髄を移植するので、当然、拒否反応は起こります。
これは、他人の白血球が、移植を受けた体を攻撃してしまう状態です。
白血球はもともと侵入してきた異物を撃退するようになっています。
GVHDと呼ばれている、拒絶反応が出てしまうのです。

 

GVHDは、ガン細胞を殺し、再発を予防してくれますが、長期間にわたって自分の体を「異物」と思って攻撃するケースもあります。
ですが、逆にGVHDが起きなければ、悪性リンパ腫が再発する可能性も少なくなるのです。
この拒絶反応さえ起こさなければ、治癒状態に近づけるのだと思います。